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思想的なドイツ人!?
2008-11-29-Sat  CATEGORY: 未分類
「週刊ダイヤモンド」のメルマガに同誌編集部員が一文を書いている。短いものだから一読をお願いする。

“バラマキ"日本とは大違い 独の“骨太"経済対策の中身

 まさに日本とは好対照である。11月5日、ドイツは総額500億ユーロ(約6兆1000億円)規模の追加経済対策を打ち出した。
 メルケル首相は、この対策を「骨太で目標をはっきりさせたもの」であり、「不自然な需要刺激策とは一線を画する」と強調した。
 中身を見ると、中小企業への貸し渋り対策など日本と共通する項目もあるが、投資促進や省エネ・環境問題に関連する施策が目につく。
たとえば、企業に短期間での減価償却を可能とする税制改正、建物のエネルギー効率向上への支援、新車購入での税免除(環境性能の高い車種はより優遇)などだ。
 このような内容となったのは、「“藁の火のようにパッと火がついて消える”ような短期的な景気刺激策には、産業界が強く抵抗している」(ジェトロ・デュッセルドルフの小谷哲也氏)ことも背景にある。技能の低い労働者の再教育支援も挙げられているが、「これもドイツが長らく抱える課題の一つ」(同氏)だ。
 他方、わが国の追加経済対策は、“目的が不明瞭”“選挙対策のバラマキ”と批判を浴びている。
「“思想”を持った政策であるか否かが、最大の違いだ」。元経済諮問会議員の八代尚宏・国際基督教大学教授は指摘する。「経済対策は“長期的な課題をこの機にやる”ものであるべきだ。各国の経済対策は、国際協調の一方で、いかに自国の成長力を高めるかという政策競争の面もある。日本はそれがまったく見えない」。
 ドイツでも、専門家のなかには「規模が小さ過ぎる」などと今回の対策の効果を疑問視する声は少なくない。だが、国民の支持率は高い。11月7日に発表された世論調査では、68%がその内容に賛意を示している。
 対して日本では、生活支援定額給付金を「評価する」は31%、追加経済対策全体でも同37%(共同通信社の世論調査:11月8~9日)。差を生んだのは、“思想の有無”にほかならない。
(『週刊ダイヤモンド』編集部 河野拓郎 )



世界が同時デフレに突入か否かの瀬戸際である。100年一度の非常事態ともいわれる。「賢さ」を鼻に掛けたがる人ほどここぞ!とばかり「小賢しい政策」をもっともらしく語り、対策の遅れや対策の規模の小ささをカバーしようとする。メルケルはサルコジとは反対にこの手の積極財政には尻込みしてきた。事態を甘く見てきたからだろう。だから大げさな演説でもして「もったい」をつけたのだろう。too late、too small――をカバーしたのだ。これにコロリとだまされるのが日本人経済専門家のだめなところ。

「短期的な景気刺激策には、産業界が強く抵抗している」そうだが、そもそも、今回の政策は非常時における短期的な景気刺激策に他ならない。前提からして違っている。産業界が「“藁の火のようにパッと火がついて消える”ような」といっているのは要するに金を産業界に回せといっているのだ。消費者に金を配るような事をしてもそれが全て消費の形で産業界に回るとは限らない。だから、直接こっちにくれと要求している。消費者側にも同じ言い分がある。産業界に回してもそれが賃金や仕事の形でこちらに回ってくるとは限らない。借金返済や内部留保に回る可能性大だ、と。両方の「思想」があり、それが衝突している。産業界にだけ「思想」があるかのように決めてしまうのはヤシロ氏も編集員氏も産業界の立場に立っているからだ。大きく見ればどちらを先にしても変わりはない。要は時期と金額の問題だ。

ヤシロ氏は一応学者らしいから、言う事が難しい。いわく「経済対策は“長期的な課題をこの機にやる”ものであるべきだ。各国の経済対策は、国際協調の一方で、いかに自国の成長力を高めるかという政策競争の面もある。日本はそれがまったく見えない」。嘘つけ!どこでそんな事決まったの?・・・これを「詭弁」という。短期的な課題は長期的な課題とは違うから「短期的な課題」と言うの!ヤシロ式に従えば「短期的課題」なんて必要ないでしょうに…。長期的には撤退でも、短期的には攻勢、あるいはその反対。だから短期的課題を議論する意味がある。

ヤシロ氏ら構造改革派は豊かな日本は、豊かな会社なくしては存在しないと主張し、私は豊かな国民なくして豊かな日本はないと言うのが正しいと思っている。いわゆる先進国では長い間ヤシロ式が主流を占め国民の階層分化が進み、産業の空洞化が進んだ。ヤシロ式の大本山=アメリカはついに噴火を始めてしまった。金融崩壊が実体経済に波及するのを何としても阻止しなければならない。ここで「短期的課題」が生まれた。どの国でも最後は会社ではなく国民が防波堤である。各国とも疲弊した国民に購買力を与え、その消費によって実体経済の崩壊を食い止めようとしている。これが「短期的課題」。各国の「長期的課題」とは明らかに異なっている。

上の記事を読めばメルケルの政策は、中小企業に対する貸し渋り対策に主眼があるようだが(個人対策:新車購入・住宅減税、就業支援)、わが国も同様の政策を掲げている。ドイツとの違いは、定額給付金のような「バラマキ」にある。これをどう評価するのかだろう。

定額給付金に似た政策はイギリスやイタリアでも実施されようとしており、ブッシュは既に今回の金融崩壊の前に実施している。イギリスは期間(08年12月~09年年末)を限った付加価値税の減税、イタリアは24億ユーロを使った低所得層の減税(対策総額9.7兆円)。減税の形であれ給付金の支給(公明党を立てるため)であれ中身は同じである。欧州委員会は「域内の個人消費促進策として、日本の消費税にあたる付加価値税の減税を検討するよう加盟国に勧告した」。わが国の「バラマキ」も極めてオーソドックスな手法である。

上の文章では、技能の低い労働者の再教育訓練に高い評価が与えられている。私は、こうした政策はわが国の「ジョブカード」と同じ効果しかもたらさないと思う。ドイツも労働者の四人に一人が非正規労働者といわれる。若年労働者ほど、低学歴労働者ほどその割合が高いと言う。結局、労働者の技能が向上した結果として非正規化が解消するのではなく、非正規化が解消して初めて労働者の技能が向上するのだと思う。メルケルの政策は最初から失敗を運命付けされている。
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